ヘリテージホームTOP > 海外の住宅事情レポート

海外の住宅事情レポート

環境に配慮する美しい都市

エコ住宅と環境配備を創造する都市

アメリカの住宅産業では、建築物が環境改善にどの様に貢献しているかの指標を明確にし、それに基づく対象建築物の点数方式によるレイティングを行う「LEED」という評価制度があります。

その評価をクリアすると「GREEN BUILDER」というエコに取り組んでいる会社に認可される称号が受けられます。

そのGreen Builderによって建てられた建物が、「ENERGY STAR HOME」と呼ばれる省エネ基準を満たした住宅です。今回はシアトルにある、ECO住宅開発地域(High Point)に足をはこびました。

約500棟が立ち並び、現在も2次開発中で建築ラッシュが続いているここHigh Point。

シアトル市ではこの地域に家を購入する人達への助成金や住宅ローン借り入れの際の金利の軽減等、行政の援助体制もしっかりしています。

遊歩道や道路、敷地内にも、雨水を浸透させる工夫がなされており、その雨水や生活排水を調整池に溜め生活用水として循環させて使う仕組みにも驚かされました。

また、このエリアには、潤いや休憩のために整備された空間、「ポケットパーク」や、買主が犬を放し飼いできる「ドックパーク」など憩いのスペースも。
これらを整備することで人気が集中し、「住みたい場所」として土地の資産価値をあげることができます。

見せる、そして住む楽しみのある住宅

日本人は建物そのものに価値を見出すケースが多いのに対し、シアトルでは眺望やデザインに価値をつける傾向にあります。そのため、生活するための住宅というより、「見せる、住む楽しみのある住宅」にその価値を置いているようです。

また、デザインの起こし方も、「外観が美しく見えるか」よりも、「室内から楽しむ贅沢な眺望」をメインに建物を設計していくようです。

たとえば、「バックヤード」として認識されていたプライベートな庭も、リビングの延長という考え方に移行。最近では「ガーデンルーム」、「ガーデンリビング」と呼び、このスペースは住宅を購入する上でも大事なポイントとなります。

写真は新築の分譲住宅が並んでいる1件のモデルルームにあったもので、この5パターンにの中から好みのガーデンルームが選べるとのこと。

また、ロケーションへのこだわりも強く感じました。
今回視察のガイドをしてくれた現地のスタッフに、「なぜ建物だけを撮るの?この建物が美しく見えるのは、この庭が手前にあってその庭越しに建物が見えるからなんだよ」と言われました。
これは現地スタッフが撮影してくれた写真です。

「この家の人はこの樹齢何百年というこの樹あったからこの住宅を買ったはず。この樹があるだけでこの家の価値は1億円以上も上がる」と・・・。

自ら造り 自ら守る資産価値。

今回見た建物のほとんどが50年から100年ぐらいのもの。
本当の資産になる家はデザイン・素材、すべてにおいて計算された美しさが漂っていました。

新築住宅の価値の方が中古より高い日本に対し、アメリカでは、中古住宅の売買される割合が非常に高く、ロケーションの良さなども加わってくると、新築時より高い価値が付くという状況があります。

そのため、建物の構造、メンテナンス、街並みに則した外観の診断基準が重要となってきます。

市内の大型のホームセンターでは、家が一軒建てられる程、すべてのものがそろっていて、オーナー自らが、手を加え、メンテナンスをしていくという意識の違いを垣間見ることができました。
また、店内にはリサイクルから作られた建築資材が並び、環境対策への取組も印象的でした。

日本人のように一つの土地に執着せず、よりロケーションの良い所へと移り住んで行く事を成功の証とするアメリカ人。

そのライフスタイルや考え方の中に、日本の200年住宅構想が説く、これからの住文化のヒントが隠されているのかもしれません。

実際に日本の住宅は 年数が経つにつれて建物の価値が低くなります。
しかし、家やライフスタイルはもちろんの事、環境に配慮した工夫をする事で、より高い付加価値を生み出すことができるのではないでしょうか?

デザインや構造においても、建物全体の景観や、地球環境への配慮を考えながら建てる事が出来れば、
これからの日本は 建物や土地に対する考え方も変わってくるかもしれません。

海外の住宅事情レポートコンテンツ
北米編:Vol2
北米編:Vol1
北欧編